マトリョーシカみたいな財布

 

 

なんとなく思ったことを書き留める、という趣旨のブログを始めて早数ヶ月経ちますが、当初の「溢れ出る衝動」に駆られキーボードを打ち付けていた自分の姿が遠い過去のように感じられる。
1ヶ月に1本、できる男はルールを守る。そんな気持ちも早々に薄れた。けどずっとメモで眠っていたことを発見したから書いてみる。

 

先日、レジに並んでいた時の話。
前にいた男性(30代、ヒゲメガネ、余裕のある佇まい)のハンドバックから巨大な財布が出てきました。
すると、驚くなかれ、その巨大な財布からまた中型の財布が1つ、小さな小銭入れが1つ出てきました(ここまで、所用時間30秒)。

財布を眺めていて謎の既視感に囚われた自分が想起したもの。

あの不気味な笑みをしたボーリングのピンのような人形だ。

 

マトリョーシカ

 

マトリョーシカとはロシアの民芸品の人形で、大きい人形を開けたらまたそこから同じのが出てきてどんどん小さい人形が出てくるあれだ。


男性はお釣りを受け取るとまたそれぞれの財布を一つのマトリョーシカにし、お店を後にした。

さも冷静に余裕もあり、品すら感じられた。

生まれて初めての財布の形態に驚きを隠せなかった私はしばらく考え込んだが、ある結論に達した。

 

「財布の大きさは、その人の自信の大きさに比例する。」

 

これは自分で言うのもアレですが、中々理にかなった仮説だと思う。じゃなきゃ数十秒かけ、たかが千いくらかのお会計を支払うために財布をトランスフォームさせない。

大きい財布、小さめの小銭財布で分けるなら全然分かる。それらを収納する革製の巨大なそれはなんや。また、それを入れるハンドバックがあるのも、忘れてはならない。

 

また、この仮説に当てはめると、ぴちぴちスキニーの尻ポケットからどデカイ長財布を半分以上はみ出し「飲みホー飲みホー」と鳴きながら夜の街を闊歩する男女達の生態が分かってくる。
あれは自信が過剰に誇大化した結果、尻から下心がはみ出てしまっているのです。きっとそうだ。

 

小学校の時、姉に「お前はお尻から過剰に財布をはみ出すような人になるな、アレを見ると私は殴りたくなる」と言われたことを思い出した。
当時は内容どうこうより姉のどこからか湧き上がるその凶暴性に疑問を持っていたが、22になってやっと分かったよ姉さん。

 

その姉から最近、誕生日プレゼントにステキな折りたたみ財布をもらった。ポケットにすっぽり入るくらいコンパクトで、正直とても気に入っている。
自分に自信があるなしは置いといて、こだわりの一つは持ってもいいでしょう、人間ですし。

 

書いてて思ったけどあのマトリョーシカもその人のこだわりなら何も言えないな、反省はしないけど色んな財布があるなくらいで終わり。

 

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